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2011年01月01日

阿部家の台所で根のある暮らしを知る(島根)

世界遺産、石見銀山のある太田市大森町。そこに本社と本店がある
服飾雑貨店「群言堂」。経営者の松場登美さんが住まう築230年の「他郷阿部家」冬の暮らしのお話し。


年間10万人が訪れる
日本最大の銀山だった石見銀山のある島根県太田市大森町の人口はわずか430人。江戸時代には、20万人が住んでいた。銀山川に沿った街道には、今も武家屋敷や商家、神社などが点在し、江戸時代の面影が残っている。そこに、25年以上、日本の昔ながらの暮らしや技術を活かしたものづくりをし、生活デザインを提案してきた「群言堂」がある。〝温古創新〞がキーワード。店には着心地の良い服や、生活雑貨が並ぶ。カフェもある。

阿部家の台所で根のある暮らしを知る(島根)
松場登美さん

阿部家の台所で根のある暮らしを知る(島根)
テーブルは学校の階段の木材からリメイク

かまどのある台所
松場さん夫妻はモノづくりだけでなく、6軒の古い武家屋敷や民家を買い取り、再生してきた。そのうちの一軒が元武士だった阿部家の家。廃墟同然だったものが蘇った。
登美さんはこの阿部家に住み、かまどでご飯を炊き、庭先の野草を食材にするなど、暮らしている。同時に色々な人の帰る場所、故郷、田舎づくりをこの家を使って行いたいと考えている。
 屋敷の裏手には銀山川、表は銀山通り。小さい中庭を囲んで、母屋、食堂、蔵を改装した書斎、広間、蔵の二階はベッドのあるゲストルームになっている。
パジャマや寝具は、全て群言堂のオリジナル商品で、オーガニックコットンを使った上質でとても気持のよいものが用意されている。

和ろうそくでお風呂
12月。窓辺に飾られているのは手折った庭の椿。室内に飾る草花木は庭や裏山に季節ごとに咲くものだ。中庭には吊し柿。南天も赤い実をつけている。火鉢に火が入り、炬燵も暖かい。食卓には銀杏、里芋煮、むかご、蒸し上がった日本海の蟹などが並ぶ。登美さんと一緒におしゃべりをしながらの夕食は最高のもてなしである。 
 浴室には薪ストーブに火が入り、浴槽にはゆずが浮いている。せせらぎの音を聞きながら、和ろうそくの明かりで入るお風呂は極上だ。

阿部家の台所で根のある暮らしを知る(島根)
庭の椿の花を手折って

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和ろうそくの炎は大きい


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Posted by 大和田順子 at 00:00 │しあわせな地域づくり